就活に成功した俺と〝目標〟

前回の更新からまたも半年近く経ってしまったが、再び更新させていただきたい。
このたび就職先を見つけることが出来たため、その報告と教訓を備忘録的に記しておくこととする。もし今後就活を控える学生の方が見ているならば、参考になれば幸いである。

本章に入る前に

ここで、具体的な内容に入る前に、私が前回記事にした内容を振り返っておこう。前回の記事は8月初めに記したもので、企業に次々と落とされ、とうとう持ち駒がゼロとなってしまった頃である。あの頃は一言で言うならば「荒んでいた」と表現すべきだろう。自分自身、家族、社会、身の回りのすべての出来事をを悲観的に捉えていた。

私はこの頃「鉄道会社の総合職になりたい」と考えていた。正確に言うとそれは最初のうちに描いた「夢」だった。どういうことなのか。

私の就活は3月~6月6月~7月8月~10月の3期にシーズンが分かれていたと考えている(以下、それぞれ第1シーズン第2シーズン第3シーズンと呼ぼう)。この「夢」は第1シーズンで適用されたもので、文字通り「鉄道会社の総合職になる夢」を叶えようと各鉄道会社の総合職へエントリーしていた。
しかし呆気なく全落ちしたため、第2シーズンに入る。このシーズンでは「鉄道の仕事がしたい」という大変アバウトな目標を表向きに掲げて、現業職やメーカー、出版社、物流系企業などの総合職をエントリーした。しかし心の奥底ではやはり「夢」をあきらめることが出来ず、全落ちした結果が前回の記事であった。

今回記す記事は第3シーズンを経てゴールするまでのことであるが、一つだけ述べておくならば、就活はロジックで解決するものだった。

 

「夢」は確かなものか

私が就職することとなったのは、大手バス会社の総合職である。レモンイエローの…と言えば分かる方もちらほらいるかもしれないが、とにかくバス一筋な企業だ。

その結果から分かるように、私は「夢」を捨てたのである。同じ交通系でこそあるものの、鉄道とバスは違う事業形態だし、将来の行方も全くことなるだろう。

私が「夢」を諦めた理由、それは

<「鉄道会社の総合職に入ること」が「夢」じゃないことに気付いたから>

という結論に至る。
そう気づいたのは、私自身が何故「鉄道会社の総合職になりたい」のかが分からなかったからだ。しかも、何のために実現し、その先の目標は何なのか…

とにかくなにも定まっていなかった。

よく「『就活の軸』を定めろ」と言われる。が、私はそれをあまり信頼していなかったし、事実全く定まっていなかった。なぜなら私はこれまで鉄道一筋で人生を歩んできて、それを軸と呼ばずして何と言う*1、と高を括っていたからである。そして同時に「夢」を就活の軸にすり替えていた。

気づいた理由は簡単で、友人に「なんでなりたいの?」と聞かれたからである。
当然自分なりに理由があって「鉄道会社に入って鉄道の発展に貢献したいんだよ」みたいなあやふやな回答を毎度していた。ところが友人は聞き続ける。
「いつからそう思ってたの?」
「なった後どうするの?」
「何がそう思うきっかけだったの?」…
するとブレブレな軸がどんどんと露呈し、いつしか「なんでだろう?」と自分が分からなくなる状態に陥った。非常に呆気なく。

なぜ8月まで気づかなかったのか、自分が威張っていたからだ。
おそらく今後就活生となる諸君にも必ず訪れるであろう、自分自身の内定先は決まったけど「就活がまだ決まってない人に、どういう態度を示せばいいのかが分からない」という重い空気*2。それは、どれほど信頼した友人の仲であっても確実に生じるものである。
一方で就活している側は、どんなに気にしないようにしていても、ちょっとした一言でえぐれ、怒ったり、泣いたり、死にたくなって、そんな小さな自分をまた悲観する…というスパイラルに落ち込んでしまう。
そうして8月の私は、つつくとすぐに爆発する北朝鮮のような存在になっていた。普段の人が触れないようにしている中で、少数の人々が手を差し伸べてくれたとき、当然私は「貴様に俺の苦しみが分かるか」と核ミサイルを飛ばすわけだが、彼らに当たっても何も変わらないという現実を渋々受け入れていくうちに、これが発覚したわけである。

 

「目標」の再設定

さて、いつの間にか偽りの夢ちょっとかっこいい(中二)を持っていた私は、まず「目標」を再設定することとした。しかしその前に、なぜ偽りの夢が出来てしまったのかを考えることとした。

前回の記事にも述べたように、ある程度裕福な環境で育った私には、「大学進学」という道が自動的に用意されていた。そして将来は当たり前のように、でっかいビルヂングの上の方で踏んぞれるような、そういう仕事にならなきゃいけない、という気がしていた。
気がしていた、というのは、つまり別にそこに何も根拠なんかなくて、そういう環境で育ったならそういうところを目指しなさい、と誰かに言われているような気が22年間ず~っとしていたのである。これが、第1シーズンで鉄道会社の総合職に総当たりした原因であり、第2シーズンで「なんか合わないな~」と思った理由であった。

その頃友人から、自分がこれまでの人生で何をしてきたのかを幼少期からずっと遡るインタビューが行われた。上記のことに気付いたのはこのインタビューがきっかけであり、同時に次なる「目標」の再設定が可能になった。

「公共交通という立場から街を創り出したいんだ」

 

企業探しと面接対策

この辺りから、ちょっとマイナビの就活特集みたいな話になってくるが、今後就活を迎える方々にとってはきっと役に立つであろうと考えているので、参考程度にご覧いただけるとありがたい。

「目標」が決まった今、企業を探すことになった。
交通業界の就職はそもそも総合職と現場職と整備職*3の3つに分かれていることが多いのだが、基本的にどの職も募集の締切が結構早く、しかもどの企業も似たようなタイミングで行われる。8月も終わりの頃、自分の「目標」に沿った総合職、ないしは現業職というのは、タクシー屋か、田舎の事業者ばかりだった。最早選択の余地などない最中、大学4年間の生活から感じた首都圏の良さ(主に文化的な側面)から、首都圏の企業に絞って応募した。

 

もう一方で、面接対策をはじめた。ESに関してはある程度の信頼があったため、面接対策に集中することになったのだが、そこも大きなポイントであった。

まずはカメラをセットして普段通りの様子で模擬面接を披露した。
見られて恥ずかしい想いもあったが、個人的には自信があった。
友人からの評価は「これは落ちるわ」だった。なんてことだろう。

ところで、私はダンスがあまりにも下手くそなのだ。真剣に踊っているつもりなのに、端から見るとすごくヘンテコに見えるらしく、小学生の頃によく女子から「真面目にやって」と怒られた経験がある――

それと全く一緒だった。気持ち的には明るく、しっかりと、丹念に話し込んでいるつもりだったのに、結果は「なぜかレジでずっと話し込んでるけどよく聞いたら全然話の面白くないオッサンの話し方」にそっくりだった。

これはいけないと、恥を捨てて面接の練習を繰り返すことにした。

 

話し方の重要性

模擬面接中にわかったことは以下の三つだ。
 ① だるそうに話してる
 ② 話が長い
 ③ 何が言いたいのかわからない
簡単に言いくるめれば、だるそうに話すし、話が長いし、何言いたいかわかんないし、聞く気になれるもんか、ということだった。


そこで実践したのは上記の汚点をまるっきり覆す方法である。

① 姿勢よくハキハキと大きな声で話す

これはとても簡単のようだが、私のように案外自分がどういう話をしているかというのは分からないものである。第三者に姿勢や喋り方等をチェックしてもらうことが大事。イメージが湧きにくい場合は、接客のアルバイトをしている自分を呼び起こしてもらえると、自然とそういった形になることが発覚している(当社調べ)。

これは余談だが、就活中、圧迫面接に出くわす場合も多々ある。勿論程度は企業に依るが、どうしても相手が高圧的な態度を取っているように見える。
そんな場合の解決方法も、接客で解決する。クッソめんどくさい中年のオッサンが接客に文句をつけているときのことを思い出しながら話をすると、「なんやこいつ死ね」以外の感想が沸かなくなり、思った以上に効果を発揮するので是非推奨したい。

 

② 話を短くする

これは逆にとても難しい。しかしこれが最も大切だといっても過言ではない。
話を短くする、というのは要するに自分のアピールタイムを減らすことになるため、多くの学生は無意識に長く喋ろうと努力してしまう。しかしそこから話を長く長くしていくと、どんどん話が見えなくなってしまう。誰しも話の長いオジサンオバサンの与太話に付き合わされた経験があるだろうが、それを面接でやってしまう自分を想像してほしい。
相手に理解してもらうためには、あえて要約して話を減らす。例えば話したいことがたくさんあっても、それを2~3行にまとめて話せば、面接官はおおよその話を理解してくれる。しかも基本的に多くの学生が長いこと話をするため、大半は面接官が聞き返してくる。面接官は、ただ話の概要を聞きたいがために質問しただけなのに、その存在が稀有であるが故に「あの人の話はもっと聞きたいと思った」という高評価を出してくれる*4ため、話を短くすることの意義は非常に大きいと感じる。

 

③ 言いたいことを決めて要約しておく

例えば短く話しても、そこから掘り下げられると何もしゃべれない…となっては本末転倒である。そこで言いたいことを決めて要約しておくのだが、これにも一つテクニックがあり、相手が投げてくる質問を予め推測し、何パターンか質問に対する答えについても2~3行でまとめておくのである。

 

先ほどから言っている「2~3行で」というのもちゃんと使い方がある。
①結論②理由(→③改善策)という3つの項目に沿って話すのである。
例えば「弊社を志望した理由をお聞かせください。」という質問があった場合、回答を用意するにあたって話すのは「①御社をした理由は~だからである。②なぜなら~という背景があり、③私は御社に入社して~を実行して②を解決したいと考えたからである。」という文章を作ることが出来る。長いと思った場合は思い切って③を削ってみても全く構わないし、理由や改善策を入れ替えたり、「原因」にしたりと都合よく作ってもらって構わない。

ただし忘れてはならないのは必ず「結論」を作ることである。これは面接中においても常々実行してほしい。集団面接の場合、同じ質問をそれぞれの人に当てる形式も多く、他人が当たっている時間中に結論だけでも作ることで、とても印象が変わる。

 

話す内容について

最後に、話す内容に関してだが、これに関しては正直業界に依りけりな部分があるため、一概には言うことが出来ない。ただし先述した通り、

①ちゃんとカンペを作っておく
②カンペは「結論」→「理由」→「改善策」を箇条書きする

という手順だけは守るべきだと感じる。
というのも私は「カンペなんて作るから内容が真っ白になってパニックになるんだろ」と、これまた高を括っていたものだったからである*5。当然カンペがないと、常々パニックになって話しているのも同然である。

そのわけは、自分の発言に一元性が見いだせなくなってしまう点にある。要するに行き当たりばったりで話すと、どこかしらで直前に話した内容と食い違う部分が出てきてしまう。
カンペを作ることはそのために重要である。しかしこれも行き当たりばったりに正直な「理由」ばかりを述べていると、どうしても食い違いが発生してしまう。

そんなときにはじめて『就活の軸』という言葉が生かされる。その言葉の意味は先に述べた私の「目標」、すなわち志望動機である。
すべての問いに対する結論が、志望動機につながるように作っておく。一見難しいかもしれないが、まあなんていうか、こじつけでいい。なんかいいのが浮かんだらその都度追加する程度のノリで考えることで、変に拗らせない理由を作ることが出来る。幸い私は言い訳が得意な人間なので、ここはあまり苦労しなかった。

 

今後

一通り書き終えたところで、私の就活の最大の失敗を振り返るとするならば

慢心

に尽きる。本当に就活ナメ過ぎだ。ということでこれから就活を控える諸君は、心してかかって頂きたい。ちゃんと準備しようね!私みたいになるよ!

私にとって、就活は大きなヤマだったことは間違いない。ここまで人生観を語り合ったり、森羅万象を考えたことはほとんどなかった。まあたぶん今後もここまで考える機会はないだろうと思っているが。

 

基本的に幸先も悪く、本気で死にてえと思ったことも一度や二度ではなかった。しかしながら私がツイていたのは、他人の面接の練習にもしぶとく付き合ってくれる、信頼出来る友人の存在があったからで間違いではない。彼らには深く深く感謝している。

とはいえ皆が皆、友人と相談できる環境にないことは自らも悟ってきた。それでも門を叩けば必ず門扉は開くはずなので、皆友達を大事にしようという、一見幼稚園児のような、半人前の大人のような話でした。

*1:無論、これは軸ではない。

*2:信じられないかもしれないが、同じ人間とは思えないほどナイーブな反応をするので、素手で挑むのは本当に危険である

*3:整備職は主に理系分野に任されていることが多く、文系の人は殆ど現業か総合に分かれる

*4:多少人に依るものがあるが、だいたいは印象に残る。これが大事

*5:基本的に楽観主義というか馬鹿なんだと思う